Column 001-3 乳酸菌は本当に効果があるのか?

Column

真正細菌の目の特徴を解説

門というのは、生物分類のうち、

界 門 網 目 科 属 種 という細分化分類の2番目に大きい分類です。

真正細菌界、~~門、といった感じです。

ちなみに、形や特徴で定義することが難しいので、

主に、16S rRNAの解析などで定義されています。

16S rRNA系統解析

真核生物はリボソームの種類が18S rRNAなので、

原核生物(真正細菌と古細菌)のリボソームが16S rRNAであることに着目して解析ができます。

リボソームは、メッセンジャーRNA(mRNA)の遺伝情報を読み、タンパク質に変換します(翻訳といいます)。

リボソームは、そういう難しい作業を正確に行う場所なので、いくつものタンパク質から構成されており、それぞれのタンパク質を「サブユニット」とよびます。

16Sとか18SのSというのは、subunit(サブユニット)の頭文字です。

細菌においては、23S rRNA、16S rRNA、5S rRNAに分類されています。

このリボソームがどういうサブユニットかを分析することで、その細菌が、どういう進化系統なのかをかなり正確に推測することができるそうです。

こういった遺伝学的な分析を利用して、真正細菌を分類すると、下記のような分類になります。

アシドバクテリア(アキドバクテリウムとも)Acidbacteria

グラム陰性。土の中に相当数存在するといわれていますが、

有名な細菌はそれほど知られていません。

アカウィフェクス Aquificae

実は、生物の祖先から、最も初期段階で系統が分かれた真正細菌であるという話もあります(そうでないという話もありますが)。

グラム陰性で、水素や二酸化炭素をエサに活動しており、温泉などに多く存在しています。

古細菌以外では、最も熱に強い生物ともいわれています。

アルマティモナス Armatimonadetes

最近になって提唱された門です。

主にグラム陰性、好気性と考えられますが、まだまだ研究段階です。

ウェルコミクロビウム Verrucomicrobia

グラム陰性で、様々な場所から検出されていますが、

verrucaとは「いぼ」のことで、この門の一部はいぼのような突起をもっています。

PVC群

ウェルコミクロビウムは、プランクトミケス、クラミジア、レンティスファエラと近縁であることが指摘されており、PVC群ともいわれています(レンティスファエラもいれるならPVCR群とでもいえそうです)。

エルシミクロビウム Elusimicrobia

エルシミクロビウムをはじめとするいくつかの系統が、

シロアリやゴキブリの腸などに生息している原生生物の内部に存在し、

その原生生物細胞内で共生していることが指摘されています。

詳細はまだよくわかっていません。

カルディセリクム Caldiserica

温泉から発見されたCaldisericum exileにもとづいて提唱された門ですが、

他の種は見つかっていません。

鞭毛あり、グラム陰性、そして、珍しいことに、チオ硫酸塩を還元する能力があります。

クラミジア(有名)Chlamydiae

実は、正式には、アメーバに生息する環境クラミジアと、

脊椎動物に生息するいわゆる病原性のクラミジアの2タイプがあります。

細胞外で増殖する能力はありません(即座に死滅するとは限らないため、感染力はある程度あります)。

クロロビウム Chlorobi

主に、偏性嫌気性の光合成細菌です。

緑色で、硫黄細菌という特徴があります。

クロロフレクサス

プロテオバクテリア門やフィルミクテス門と同じく、6つもの網をもつ大型の門です。

LPSおよび外膜を持ちません。かといって、

この門は必ずしもグラム陽性というわけでもありません。

網としては、クロロフレクサス(代表)、テルモミクロビウム、アナエロリネア、カルディリネア、クテドノバクテル、デハロコッコイデスがあります。

結局、詳しいことはまだまだわかっていません。

クリシオゲネス Chrysiogenetes

グラム陰性、偏性嫌気性、

ピルビン酸、酢酸などを炭素源として使用すること、

電子の最終受容体として硝酸を利用できることなどがわかっています。

結局、16S rRNA系統解析によって分類されているので、「共通の特徴」というのは、たいして見つけることはできなさそうです。

ゲンマティモナス Gemmatimonas

現在、Gemmatimonas aurantiaca1種のみ。

出芽するという特徴をもちます。ジェムとは宝石によく使いますが、

gemmatus(芽生える、または宝石をちりばめる)という語源があります。

グラム陰性、好気性で、ポリリン酸を蓄積できるという特徴があります。

サーモデスルフォバクテリア Thermodesulfobacteria

硫黄還元細菌ですが、詳細はよくわかっていません。

シネルギステス Synergistetes

多くがグラム陰性桿菌です。

嫌気環境で、ペプチドや脂質を代謝できます。

ということは、動物内と相性が良い場合もあって、

歯周病や他の感染症に関係する可能性も指摘されています。

おもしろいことに、油田に存在することも指摘されています。

スピロヘータ(有名)spirochaeta

らせん形態をした、グラム陰性細菌です。

非常に特徴的なことに、エンベロープという膜構造が、細胞体と鞭毛を覆う形で存在しています。

この構造によって、たいへん活発に運動することが可能です。

さて、自然環境にも存在していますが、

非常に有名な門で、病原性のあるスピロヘータもいます。

梅毒なども、スピロヘータが原因であると指摘されています。

とはいえ、すべてのスピロヘータが宿主にとって有害とは限りません。

らせん菌

ちなみに、らせん回転が5回以上であるものの代表例がスピロヘータで、

らせん回数がたかだか1回であれば、プロテオバクテリア門のビブリオ属などが挙げられ、

らせん回数が2-3回程度であれば、同じくプロテオバクテリア門のカンピロバクター属やヘリコバクター属が挙げられます。

いずれにせよ活発に活動するラセン菌には病原性があるものもあり、注意が必要です。

ディクチオグロムス dictyoglomus

かなりの好熱菌です。

非常に面白いことに、キシラナーゼという酵素を合成することが可能であって、

製紙産業、食品産業からも注目されています。

ただ、キシラナーゼそのものは、ディクチオグロムスの専売特許というわけではありません。

デイノコックス・テルムス deinococcus thermus

一般に、グラム陰性、好気細菌です。

興味深いことに、一部はグラム陽性であるにもかかわらず、

タイコ酸がないばかりか、ペプチドグリカン層の外側に外膜をもっているため、

実質的にはグラム陰性的な細胞壁となっています。

また、放射線耐性菌を含む門です。

テネリクテス tenericutes

「テネリクテスとフィルミクテスの関係」

実は、よく分析してみると、テネリクテス門は、フィルミクテス門に含まれるという話があがっています。

デフェリバクテル deferribacteres

桿菌で、

鉄やマンガンや硝酸から好気呼吸を行うことが可能です。

ただ、1網1目1科のみとなっています。

テルモトガ Thermotogae

主に熱水噴出孔や油田などに生息するグラム陰性桿菌です。

嫌気条件で40度以上で有機物を発酵することが可能です。

最終的な電子受容体は、おおくは硫黄になっています。

細胞の最外層は、「さや」のような独特な構造をしており、

「トガ」という名称の由来になっています。

ニトロスピラ Nitrospira

1網1目1科です。

ヤクルトのページにもあるように、例えば、

Nitrospira moscoviensisニトロスピラモスコヴィエンシスなどは、

らせん状の桿菌で、土や海などに見つかっています。

モスコはモスクワで見つかったことからきています。

ニトロは硝酸ですので、この細菌は、亜硝酸を使って、硝酸を作ることができる珍しい菌です。

さらに、二酸化炭素さえあれば、それを炭素源として育つことができるため、いうなれば、植物的な細菌ともいえます。

バクテロイデス(有名)bacteroidetes

グラム陰性で、海、土などに生息、クロロビウム門と近縁です。

網としては、バクテロイデス網、フラボバクテリア網、スフィンゴバクテリア網の3つがあって、いずれもかなり有名です。

桿菌やラセン菌が多く、タンパク質や糖類をエサとして増殖します。

また、細胞膜にスフィンゴ脂質を含むという珍しい特徴があります。

また、バクテロイデス網は嫌気性であって、実は、我々の腸内細菌においては、最大の細菌グループです。

ということは、病原性はほとんど無いことがわかるともいえますが、

ただ、免疫力が下がったりすると、病原性を帯びてくる(日和見感染といいます)こともあります。

スフィンゴ脂質

スフィンゴシンと脂肪酸がアミド結合し(セラミドといいます)、

糖がグリコシド結合すればスフィンゴ糖脂質、

リン酸と塩基が結合すればスフィンゴリン脂質になります。

スフィンゴ脂質は基本的に動物に分布しており、特に有名なスフィンゴミエリンは、神経の細胞膜にひろく分布しています。

フィブロバクター Fibrobacter

1網1目1科1属です。

グラム陰性嫌気性桿菌です。

バクテロイデスやクロロビウムと近縁です。

フィブロバクター属の一種であるsuccinogenesはセルロースを分解できるので、かなり重要度の高い細菌です。

フィルミクテス(有名)(ファーミキューテスとも)Firmicutes

グラム陽性で、GC含有量が少ないことで有名です。

とはいえ、相当な多様性のある門なので、一言では特徴を言い表せません。

ちなみに、プロテオバクテリア門も、相当な多様性があります。

腸、皮膚、そしてヨーグルトなどに存在し、とても我々にとって有名な門です。

・バシラス網

バシラスとは桿菌という意味ですが、分類の関係でそうなっただけで、必ずしも桿菌ではありません。

特に、バシラス目Bacillalesと、ラクトバシラス目Lactobacillalesは超有名です。

というより、乳酸菌、レンサ球菌、ストレプトコッカス・ミュータンス菌といった超有名最近は、すべてラクトバシラス目です。

さらには、枯草菌、炭疽菌、ブドウ球菌といったやはり超有名細菌は、その多くは芽胞を形成する、バシラス目です。

・クロストリジウム網

偏性嫌気性で、芽胞形成をもつものがおおいです。

超有名なクロストリジウムClostridium属ですが、

破傷風菌、ボツリヌス菌などのド級の毒素産生菌を含みます。

さらに、食中毒で有名なウェルシュ菌もクロストリジウム属です。

・エリシペロトリクス網

通性嫌気性菌です。こちらは、そこまで有名な細菌は含んでいないといえます。

・ネガティウィクテス網

セレノモナス目を含んでおり、嫌気性で、グラム陰性です。

あまり報告はないですが、例えば、歯茎の中(歯周ポケット)とかにも生息し、

鞭毛をもち、活発に動き回る種もいるようです。

・テルモリトバクテル網

鉄を還元できるという珍しい細菌です。ただ、まだまだ情報が少ない細菌です。

グラム陽性桿菌で、イエローストーン国立公園で発見されました。

水素ガスの酸化や酸化鉄をマグネタイト(magnetite:磁鉄鉱FeFe3+2O4四酸化三鉄とも)に還元することが可能なようです。

・モリクテス網:テネリクテス門に含まれるという意見もあります。

細胞壁が無いという非常に珍しい細菌です。

さらに、ペプチドグリカンも合成できません。

壁が無い分、やわらかい(mollis)のですが、実は、

細胞膜はかなり頑丈にできているので、細菌として弱いわけではありません。

その頑丈さは、おそらく、ステロールのおかげといえます。

壁が無い分、浸透圧の変化に弱いのですが、

むしろ、浸透圧があまり変化しない、たとえば、ヒトの肺のような組織に居着いてしまうと、マイコプラズマ肺炎などを引き起こすこともあります。

下位分類に、マイコプラズマmycoplasmatales目(超有名)、

エントモプラズマ、アコレプラズマ、アナエロプラズマ、ハロプラズマという5目があります。

フィルミクテス門の話に戻る

実は、グラム陽性菌はそこまで多くなく、原則、

このフィルミクテス門と放線菌門の2つのみといっても良いです。

多くは芽胞形成能力をもっています。

 

プランクトミケス Planctomycetes

グラム陰性細菌です。

ウェルコミクロビウムやクラミジアと近縁です。

実は、他の細菌群とは離れているので、PVC群として区別されることもあります。

プランクトスとは漂う、ミュケスが菌なので、浮遊細菌(水中)という意味になります。

実は、かなり複雑な構造を有している珍しい細菌で、

出芽増殖という増殖形態を有する点でもかなりレアです。

なお、細胞壁はペプチドグリカンを含まず、糖タンパク質で構成されます。

しかも、核膜を有さないことこそが原核生物と真核生物の境界であるにもかかわらず、細胞内に、核膜のようなものが存在しており、非常に変わった細菌といえます。

おもに、好気性の従属(有機物を炭素源とする)栄養生物ですが、

まれに、アンモニアと硝酸から窒素を遊離するというレアな細菌もこの門に含みます。

かなり特徴的な門といえます。

プロテオバクテリア(有名)

超有名な、大腸菌、サルモネラ、ビブリオ、ヘリコバクターは全てこの門です。

LPSを有し、グラム陰性です。

鞭毛を用いて動き回ることで病原性が高くなっている細菌もおおいですが、

必ずしも動くものばかりではありません。

また、まれに、「粘液細菌(集合することで、まるでたくさんの細胞があるかのような生活をする)」も含まれます。

アルファプロテオバクテリア網
リケッチア

あの有名なリケッチアRickettsiaはこの網です。ダニ・シラミ・ツツガムシなどからヒトに感染して発疹チフスなどを引き起こします(一応、ネズミも有しています)。細胞外では増殖できず、細胞内に寄生する形で増殖します。

ミトコンドリア

実は、ミトコンドリアとリケッチアは、DNA的には近縁です。もちろん、ミトコンドリアは真核細胞にしかおらず、しかも独立した生物というわけではない(諸説あります)のですが、ミトコンドリアを細胞内共生する細菌とみる「細胞内共生説」をとるなら、ミトコンドリアは、アルファプロテオバクテリア網の細菌ということになります。

ベータプロテオバクテリア網

アンモニアを酸化して亜硝酸を産生するなど、植物の窒素固定にとって重要な細菌となっています。

とはいえ、ナイセリア(髄膜脳炎の原因)や百日咳菌も含んでおり、我々にとって安全とは限りません。

ガンマプロテオバクテリア網

超有名な、

「腸内細菌科」:別名エンテロバクター科。グラム陰性桿菌で、通性嫌気性です。ブドウ糖を発酵します。

勘違いされやすいですが、腸内細菌≠腸内細菌科であって、実は、我々の腸内細菌のうち、この腸内細菌科に属する細菌はせいぜい1%といったところです(とはいえ、重要な細菌であることにかわりありません)。

「ビブリオ科」:グラム陰性桿菌、通性嫌気性です。コレラ菌、腸炎ビブリオなどの超有名細菌を含みます。水中に多く存在するため、水を介した感染が怖い細菌です。

「シュードモナス科」:グラム陰性好気性桿菌です。院内感染で超有名な緑膿菌P.aeruginosaや、植物の生長を促すP.fluorescens(こちらはマニアには有名)などもこの科です。

のすべてを含んでいます。

デルタプロテオバクテリア網

上述の粘液細菌、硫黄還元細菌、硫酸還元細菌などを含みます。

イプシロンプロテオバクテリア網

有名なヘリコバクターピロリ、カンピロバクターを含みます。

ヘリコバクターピロリは、胃などに生息するラセンの、グラム陰性細菌です。微好気性です。胃液はとても強い酸性なのですが、ピロリ菌の産生するウレアーゼが、尿素をアンモニアと二酸化炭素に分解できてしまうので、胃で生活できるという理屈です。

ゼータプロテオバクテリア網

深海の鉄酸化細菌が知られているにすぎません。

オリゴフレクスス網

2014年にサハラ砂漠の砂礫から発見されたという非常に特異な細菌で、

実は、筑波大学の研究でもあります。

乾燥に強いというレアな細菌です。

フソバクテリウム(有名)

多様性がかなりなく、

桿菌、偏性嫌気性の従属栄養生物です。

消化器官(口含む)に寄生することが多く、病原性をもつものもあります。

潰瘍性大腸炎との関連や歯周病との関連などいろいろと指摘されています。

放線菌(有名)

グラム陽性で、細菌の「菌糸」が放射状に伸びる細菌を主にさしています。

ただ、16S rRNAによる定義が最近は適用されているので、放線菌門という呼び名は必ずしも適当ではありません。

冬の落ち葉の下などにも生息しています。

・コリネバクテリウム属は、グラム陽性で、グルタミン酸生産菌が有名です。

危険なジフテリア菌は、確かに無毒化ワクチンの普及などもあって、さほど脅威ではなくなってきましたが、2013年には3300人もの死者がでており、まだまだ注意が必要です。

なお、コリネバクテリウム属はジフテリアと近縁ですが、病原性は一般に無く安全といえます。ただし、ごくごくまれに、ジフテリアと類似した症状を呈することが報告されているようです。

・マイコバクテリウム属は、有名な結核菌、らい菌、BCG菌(牛の結核菌。これが、ヒトへの病原性がほとんど無いが免疫誘導作用があるので、BCGワクチンが完成し、結核で亡くなる日本人が激減しました)を含みます。

・ロドコッカス属

・プロピオニバクテリウム属は、有名なにきびの原因菌である「アクネ菌」を含んでいます。

・ストレプトマイセス属は、有名なストレプトマイシン産生菌を含んでいます。というよりも、放線菌は、抗生物質を生産する菌を多く含んでおり、研究が盛んです。

・ミクロコッカス属は、病原性をほとんど有しません。

・フランキア属

・ビフィドバクテリウム属は、あのビフィズス菌を含んでおり、ヨーグルトなどにも積極的に活用されています。

藍色細菌

らんしょく、と読みます。シアノバクテリアとも。

光合成によって酸素を生み出します。

「モ(藻)」に類似している気もする(事実、ネンジュモという目もある)のですが、一般的な藻とは異なり、細胞小器官をほとんど欠いています。

レンティスファエラ

グラム陰性で、クロロビウム、ウェルコミクロビウムと近縁といわれています。

ただ、情報がまだまだ少ない門です。

 

Column
青汁生活推進隊